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【ローテク日記#7】AI天気予報を作ってみた(後編)〜「晴れの国」なのに雨BGM?地味で熱いバージョンアップの歴史〜

9月22日
読了時間: 5分

エフエムゆめウェーブ浅口スタジオの「K」です。 当ブログでは、ゆめウェーブがどのようにテクノロジーを放送の現場に活用しているかをご紹介しています。


さて、「AI天気予報(エリア天気)」編の後編です。 日々AIと格闘を繰り広げながら放送を続けていますが、運用開始以来、実は裏側で地味なバージョンアップを繰り返してきました。最終回の今回は、そのあたりのトピックスをいくつかご紹介しましょう。


地域の安全を守る、細やかな警報への対応

① 林野火災警報・注意報の放送


2026年から新たに「林野火災警報・注意報」が始まりました。頻発する山火事を防止するために発表されるようになった情報です。 放送エリア内は2つの消防組織が管轄をしていますが、大部分を占める笠岡地区消防組合の情報を放送することにしました。


防災メールの配信もあるのですが、システムで自動処理するには少し難しい部分があったため、WEBを参照して発表の有無を自動で把握する仕組みにしています。 発表状況に応じて啓発コメントをアナウンスしますので、地域住民の皆様への周知に一定の役割を果たせるのではないかと考えています。


(林野火災警報・注意報の設定)


② 光化学オキシダント情報の放送


岡山県は「日照時間が長く気温が上がりやすい、うえに風が弱い」といった気象条件が重なりやすく、光化学オキシダント情報が発表されやすい地域です。過去にはなんと全国1位になったこともあります。 こちらについても、発表の有無をシステムが自動的に判別し、発表された場合は啓発コメントとともにアナウンスするようにしました。


限られた「尺(時間)」との戦い

③ 時間帯による「優先順位」の変更


「警報・注意報」や「概況」「天気予報」はどの時間帯においても重要ですが、例えば「紫外線指数」や「暑さ指数」の優先度は、夜間・深夜には下がります。 天気予報はとにかく情報量が膨大で、災害の恐れが増したり警報・注意報が発表されたりすると、さらに読み上げる時間が長くなります。


そこで、時間帯によってアナウンスする項目の「優先順位を変更」することにしました。 また、「日の出・日の入り」や「満潮・干潮」については、当日の該当時間が経過した後は自動的にカットし、少しでも時間を捻出する機能を入れています。


④ 調子に乗った「ピンポイント予報」のワナ


当初は「岡山県南部」の天気予報だけで運用していたのですが、8月頃からより地域を細分化した「ピンポイント予報」に対応しました。「笠岡市中心部」「浅口市鴨方町」「浅口市寄島町」「浅口市金光町」「里庄町」の各地域ごとに天気と気温をお伝えしています。


ところが、調子に乗って「井原市」や「矢掛町」も付けていったら、逆に件数が増えすぎて尺が溢れ、肝心の「暑さ指数」がカットされてしまうという不具合が発生。日中のバージョンでは、やむを得ず一部をカットして運用しています(笑)。


念願の「天気別BGM」……思わぬ落とし穴

⑤ 「晴れの国」なのに、晴れBGMが流れない


「天気に合わせてBGMを変える」。これは生放送でずっと前からやりたかったのですが、手間が多く実現できていませんでした。せっかくなので、AI天気予報で実現することにしました。


システム上、単純に「原稿の概況に『雨』の文字があれば、雨BGMにする」と設定したのですが……これが思ったより「雨BGM」になることが多いのです。例えば、次のような原稿の場合。


「高気圧に覆われて晴れますが、夕方から湿った空気や上空の寒気の影響で曇り、雷を伴った激しい雨の降る所がある見込みです。」


人間の感覚だと「基本は晴れだけど、夕立があるかもよ」という日ですが、システムは「雨」という文字に反応するため「雨BGM」になります。


結果として、「晴れの国」岡山県なのに、「晴れBGMが流れるのがレア」という謎の事態になってしまっています。


そしてAIは「深夜の番人」へ

台風が接近した場合や気象警報が多数発表された場合などは、かつてはオールナイトで気象情報を放送していた時期もありました。私も過去には、3日間連続夜勤といった超ハードな勤務をしたこともあります。 しかし、現在のゆめウェーブは少人数体制のため、常にフルパワーで稼働しているといざという時に人間が力尽きてしまいます。


そこで、深夜早朝の時間帯においても「AI天気予報」を放送することにしました。現在は24時から翌朝にかけて、毎時50分から天気予報を自動放送しています。まさにAIの強みを活かした運用です。


深夜は放送の尺(時間)にも余裕があるため、「拡大版」として、日中はカットしている周辺市町のポイント予報なども詳しくお伝えしています。仮に気象警報が多数発表された場合でも、しっかりとお伝えすることができる仕組みです。(反面、平時は時間が余りがちになり、BGMだけが延々と続くこともありますが……)。


おわりに:人を助けるためのAI

このように、AI天気予報も日々進化を重ねています。


基本的な情報となる天気予報をAIで自動化することで、災害時においても「人間」に余力が生まれます。 その余力を使って、きめ細かい情報収集や各所との連絡、そして「人にしかできない感情の乗ったアナウンス」や「避難の呼びかけ」を行う。それこそが、地域の皆さんの安全安心につながるコミュニティFMの放送だと私たちは考えています。


自社開発のメリット(とフットワークの軽さ)を生かして、これからも随時バージョンアップ(場合によってはダウンも!?)していくかと思います。


これからのエフエムゆめウェーブに、どうぞご期待ください。


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