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【ローテク日記 第9回】質実剛健な新番組「わが街広報ひろいよみ」を作ってみた(後編)〜あっさり完成?ラジオの新しい情報発信の形〜

18 時間前
読了時間: 4分

エフエムゆめウェーブ浅口スタジオの「K」です。

当ブログでは、ゆめウェーブがどのようにテクノロジーを放送の現場に活用しているかをご紹介しています。


さて、「わが街広報ひろいよみ」の後編です。

前編では、「広報誌の本文をAIに読ませるのはやめて、自治体ホームページの『RSS(更新情報)』からタイトルだけを抽出して丸投げする」という究極の割り切りに至ったところまでをお話ししました。


RSSを巡る3つのパターン


RSSを活用すると決めて、さっそく各市町のホームページを巡回します。

しかし、いざ蓋を開けてみると、自治体によって見事に仕様がバラバラでした。大きく分けて以下の3パターンです。


① 最新情報が1つのRSSにまとまっている自治体


② 課や項目ごとにRSSが細かく分かれている自治体


③ そもそもRSSを出力していない自治体


①はそのまま使えばOK。②は、なんとなく「総合案内」っぽいRSSを選んで取得することにしました。

問題は③です。更新ページから強引にRSSを作成する外部サービスなども試したのですが、ページ自体が動的に自動生成されている仕様だったためどうにもならず……ここはおとなしく断念することになりました。


仮スクリプト、あっさり完成


気を取り直して、いつものように「仮」のスクリプトを作ってみます。処理の流れは以下の通りです。


①自治体のホームページを巡回する

②RSSを取得する(更新日・タイトルのみ)

③取得した内容をアナウンス用の原稿にする

④音声合成AIに流し込んでアナウンスを作る

⑤放送システム用の完パケデータを作成する


いつものように、前後のナレーションには「AIがアナウンスしている旨」と「読み間違い等があるかもしれない」という免責事項を入れます。


……なんだか、あっさりと完成してしまいました。

これまでの交通情報や天気予報でのドタバタ劇に比べると、拍子抜けするほどのスムーズさです。


本番運用へ向けた「質実剛健」な機能強化


仮スクリプトが完成したのが3月9日。ここから4月の新番組スタートに向けて、システムを熟成させていきます。(もちろん、AI天気やAI交通情報の開発と並行しながらの作業です)


1)尺(時間)と「APIコスト」の兼ね合い

コーナーの枠は3分40秒です。最初と最後のアナウンスを抜くと、実質3分程度。この中に複数市町分の「更新日」と「タイトル」を詰め込みます。


当初は、各市町から5件程度を抽出してすべて音声を生成し、時間の合計を見てからシステム側で取捨選択して(カットして)いました。

しかし、このやり方だと「ボツになったアナウンス(使われなかった音声)の生成」にもAIのAPIコストがかかってしまい、もったいないことに気づきます。


そこで処理を変更しました。

「あらかじめ文字数からアナウンスに必要な秒数を計算し、放送時間に収まる分量だけで原稿を作成してから、音声化(APIを叩く)する」という仕様です。

そこに前後のアナウンスを追加して、もし時間を超えてしまいそうなら、お知らせ項目をテキストの段階で1つずつカットしていく。この考え方を取り入れたことで、時間内にきっちり収まりつつ、コストも最小限で済んでいる(はず)です。


2)終わらない答え合わせ(原稿の記録と辞書登録)

AIには基本的な辞書機能を持たせていて、よく出る施設名や地名にはあらかじめ読み仮名を付けています。とはいえ、RSSのタイトルには日々どんな初見の単語が出てくるかわかりません。


そこで、後から情報の精査ができるように「AIに読ませた原稿テキストをすべて記録(ログ保存)する機能」を付けました。

ラジオ局には、放送した音声を一定期間すべて保存しておく「法定同録」という仕組みがあります。この実際の放送音声と、システムが残したテキスト原稿を突き合わせることで、AIが誤ったアナウンスをした箇所を洗い出し、辞書を修正しているのです。


ラジオの新しい情報発信の形


実はこの「わが街広報ひろいよみ」、こうした少しの修正を加えただけで、ほぼ3月に作ったままの姿で2026年9月現在も元気に稼働しています。

他のスクリプトが日々独自の進化(と迷走)を遂げていく中、初期の姿に近いまま黙々と働き続ける、まさに質実剛健なシステムです。


「ラジオは更新情報をお伝えする(気づくきっかけづくり)」

「詳しい内容は、必要な人が最新の情報を自治体ホームページから入手する」


行政からのすべてのお知らせをラジオで読み上げるのもいいかもしれませんが、時間もコストもかかりますし、その情報を必要としない人にとっては「呪文のようなアナウンス」が延々と流れるだけの時間になってしまいます。結果として、肝心な情報すら聞き逃される可能性もあります。


これは、テクノロジーと割り切りが生んだ、コミュニティFMの新しい情報発信の形として、これからも大切に育てていきたい取り組みです。




いつもの「免責(言い訳)」アナウンス。基本的に、AIアナウンスについてはその旨をどこかで告知するようにしています(番宣・局宣は除きます)。


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