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【ローテク日記 第13回】AIリクエスト(3)〜旅先のジュークボックスが教えてくれた「不便さのロマン」〜

4 時間前
読了時間: 3分

エフエムゆめウェーブ浅口スタジオの「K」です。

当ブログでは、ゆめウェーブがどのようにテクノロジーを放送の現場に活用しているかをご紹介しています。


AIリクエスト開発編の第3回です。 「受付方法」「選曲範囲」「時間調整」という3つの重たい課題をモヤモヤと考えながら旅先を移動していると、ある場所に設置されていた古めかしいマシンの前で、若いカップルが何やら楽しげに話し合っているのを見かけました。


なんだろう?と思って遠巻きに見てみると、なんと「ジュークボックス」です。 それも、最近ブームの「平成レトロ」よりはるか前、レコードプレイヤー式の「昭和レトロ」の世界でした。

サブスク時代に、あえて「限られたリスト」から選ぶ楽しさ


私が学生の頃は、カセットテープからCD・MDへの移行期でした。自動車のトランクに3連装や10連装、中には50連装のCDチェンジャーを積んでいる人もいました。その後、iPodやスマホが登場し、保存できる楽曲数は飛躍的に増えていきます。


いまや、サブスクを使えば「一生かけても聴ききれないほどの音楽」を、手元のスマートフォンで即座に再生できる世の中です。 しかし、そのジュークボックスは、シングルレコードが数十枚入る程度のもの。若いカップルは、おそらく自分たちより親や祖父母世代(80年代歌謡曲やアイドル多め)の限られた曲目リストを見ながら、「どれにする?」とあれこれ話し合い、100円玉を入れて楽しんでいました。


「これだ!」


無限の選択肢がないからこそ、リストを見ながら選ぶ楽しさがある。私はこの光景を見て、大きなヒントを得ました。


AIの「ドライさ」を逆手にとる


ラジオにリクエストをして曲を再生するという意味では、間違いなく「ラジオ番組」です。 しかし、AIナビゲーターが担当する以上、人間のパーソナリティが持つ「リスナーへの寄り添いや温もり」といった感覚を作り出すのは非常に困難です。ある意味で、とてもドライな関係性になってしまいます。


「それならいっそ、完全に『マシン側(ドライ側)』に振り切るのも面白いのではないか?」


そこで、以下のようなシステム構成を思いつきました。


  1. ジュークボックスのように、あらかじめ指定した「リスト(歌手・曲)」の中から選んでもらう。

  2. 受付終了後、システムができるだけ早く自動で放送用データを作成する。

  3. 指定の時間に自動で放送する。


聴きたい曲があるなら、自分のスマホでサブスクを再生すれば一瞬で聴ける時代です。 そこに、あえてアナログ的な要素(不自由さ)を挟むことで、「自分が選んだ音楽が、ラジオの電波(アプリ)に乗って流れてくる感覚」や、「自分が選曲した音楽を、今この瞬間、知らない誰かも一緒に聴いてくれているかもしれないというロマン」を味わってもらうのです。


ボウリング場の「レーザージュークボックス」の記憶


私の世代では、ボウリング場に「レーザージュークボックス」がよく設置されていました。 ガターを出した人が、ある種の罰ゲーム的に100円を入れて好みの曲を選びます。どこかのタイミングで必ずかかるのですが、いつかかるのかは分からない(笑)。


しかし、いざ自分の曲がかかり始めると、ボウリング場全体にその音楽が鳴り響き、お客さんのいないレーンのスコア画面には今でいうMV(ミュージックビデオ)が流れるのです。あの、ちょっと気恥ずかしくもワクワクする感覚。


「この感覚を、ラジオ局の仕組みを使って実現できたら、絶対に面白いはず」


そんなことを思いながら、1週間の現実逃避の長旅を終えた私は、いよいよ具体的なシステム構築の作業に取り掛かることにしました。


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