【ローテク日記 第12回】AIリクエスト(2)〜立ちはだかる3つの壁と、旅先での「気づき」〜
エフエムゆめウェーブ浅口スタジオの「K」です。
当ブログでは、ゆめウェーブがどのようにテクノロジーを放送の現場に活用しているかをご紹介しています。
さて、アテもないのにタイムテーブルに新番組を書き込んでしまった「AIリクエスト」編の第2回です。現実逃避の旅に出る前に、まずはこのシステムを構築するうえで立ちはだかる「3つの大きな課題」を整理しておきましょう。
課題その1:リクエストの受付方法(表記揺れの罠)
どのような形でリスナーからリクエストを受け付けるのか。
通常の番組のように、Eメールを使うのか、それとも専用の投稿フォームを用意するのか。
人間がメールを読むなら「サザン」と書かれていても「サザンオールスターズ」のことだとすぐに分かりますし、曲名のちょっとしたスペルミスも脳内で補完できます。しかし、AIやプログラムに自動処理させるとなると、こうした「リスナーごとの表記揺れ」をどう正確に読み取らせるかが最初の壁になります。
課題その2:リクエスト曲の範囲と選曲方法
1つ目の受付方法にも関わってきますが、どこまでの曲をリクエストの対象とするのか。
放送局にあるすべての音源を対象にするのは、システム的に(ファイル検索などの面で)非常に困難です。かといって、対象曲を数十曲に絞ってしまっては、リクエスト番組として全く面白くありません。
リスナーに「選ぶ楽しさ」を提供しつつ、システムが確実に「音源ファイル(MP3など)」を引っ張り出せる仕組みをどう作るか。これが2つ目の壁です。
課題その3:自動運行の方法(尺調整の難しさ)
仮に、何らかの方法でリクエストを正確に受け付け、音源を自動で用意できたとしましょう。最後の壁は、それを「どうやって並べて、指定の時間内に収めるか」です。
放送枠の時間はきっちり決まっています。人間のパーソナリティなら、曲が足りなければフリートークを少し長めにしたり、時間が溢れそうなら曲を早めにフェードアウト(カットアウト)したりと、その場で空気を読んで時間調整ができます。
しかし、AIにはそれができません。
リクエストが足りない場合はどうするのか?
逆にリクエストが溢れた場合は?
同じ曲に複数のリスナーからリクエストが来た場合はどう処理するのか?
全てに明確なルール(プログラム)を設定してやる必要があります。
結局は「新人パーソナリティの育成」と同じ
こうして課題を書き出してみると、なんだか既視感があります。
「表記の揺れに気をつけて」
「放送局にある音源の探し方を覚えて」
「時間が余ったらこの曲をかけて、足りなかったら巻きで締めて」
これらはすべて、「新人とリクエストの新番組を立ち上げる」際に、先輩がディレクションする内容と全く同じなのです。そう考えると、AIにこれを教え込むのも、決して不可能ではない気がしてきます。
そんなことを頭の片隅で考えながら、私は現実逃避の旅行を楽しんでいました。
するとその旅先で、この難題を解決する「いくつかの気づき」を得る出来事があったのです。











