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【ローテク日記#2】AIに「しゃべってもらう」――ゆめウェーブのAI音声、その始まり

  • 14 時間前
  • 読了時間: 3分

エフエムゆめウェーブ浅口スタジオの「K」です。

今回は「AI音声の活用(Amazon Polly)」についてです。


現在でこそAIによる音声合成は身近になりましたが、ゆめウェーブでは2021年ごろから、Amazon Pollyを使用したAI合成音声による番組『ゆめウェーブ減災研究所』を放送しています。当時としては「フルAI音声にラジオ番組を担当させる」という、なかなか画期的な試みでした。

当時の制作フローは「力技の切り貼り」


ゆめウェーブでは、「mizuki」と「takumi」という男女2種類の音声を使い分けて制作していました。当時の制作フローは以下の通りです。


① 人間が台本を作成する(参考資料を見ながら完全に人力)

② Amazon Pollyを開く

③ 女性用の原稿を流し込み、音声合成する

④ 男性用の原稿を流し込み、音声合成する

⑤ 書き出された音声ファイルを、台本に沿って編集ソフトで加工する

⑥ BGMなどを付けて完成

⑦ APS(放送運行システム)に登録してオンエア


「AI番組」と呼べば聞こえは良いですが、①の台本自体は自動で作ることができなかったため、人間が手作業で執筆していました。


さらに、システム上で掛け合いを作ることができなかったため、発話者ごとに別々で音声を生成し、後から音声編集ソフトで男女のファイルを切り貼りして1つのストーリーにするという、かなりの力技を使っていました。


ちなみに、この「mizuki」と「takumi」は、それぞれ「笠岡みずき」「浅口たくみ」と命名。ゆめウェーブのAIナビゲーターとして活用されることになります。

AI音声ならではの「クセ」と格闘


当時のAI音声(Amazon Polly)には、独特のクセもありました。

例えば、長文を読ませるとなぜかアクセントが外国語寄りに変化することもあり、「海外製だなぁ」と妙な感心をしたものです。


プロ側から見れば「間が変」「アクセントが不自然」「読み間違いが多い」など、ネガティブな評価も多かったように思います。当時は商用利用のコストも高く、コミュニティFMの規模感では「人間に読んでもらった方が安くて早いのでは?」という状況もありました。


※参考 岡山県の最低賃金 2020年 834円→2026年 1,047円(125.5%)

それでもAIを使った理由と、現場の「割り切り」


それでも、AI音声には大きなメリットがありました。


①声色(キャラクター)を簡単に増やせる

②人間の都合に関わらず、即時生成が可能

③何度やり直しを指示しても、人間関係が悪くならない(笑)


特に最後は、細かい修正を気兼ねなく行えるという点で大きなメリットでした。


さらに私たちは、「完璧なアナウンス」をAIに求めるのをやめました。

「AIっぽい下手さを、あえて演出として活用する」「読み間違いは極力直すが、ある程度は諦めて免責のアナウンスを入れる」

こうした現場ならではの「割り切り」をしたことで、ゆめウェーブの合成音声の研究と活用はここから本格的にスタートすることになります。

そして、5年後。


この仕組みを作ってから年月が経ちましたが、2026年7月現在も『ゆめウェーブ減災研究所(AED編)』は現役でオンエアされています。当時の少し不器用なAI音声を、ぜひ放送でチェックしてみてください。


ここから、「もっと自然にしゃべらせるには?」「台本作成も自動化できないか?」と、私たちの興味は広がっていきます。


次回以降は、この「AIにしゃべってもらう」から一歩進んで、どのようにシステムを自動化・進化させていったのかをお話ししたいと思います。


AED編では「初代 笠岡みずき&浅口たくみ」が活躍。

新作は、親戚扱いの「笠岡ひなた&浅口せいや」と「里庄まこと研究員」が出演中。

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